ずいぶん前になってしまいましたが、
イギリスに13年間住んでいました。
その経験が、私の人生を大きく変えてくれました。
短大を卒業した後、一年ほどアルバイトをして、
足りなかった旅費を稼ぎました。
小さい時から漠然とですが、
海外に行ってみたいと思い、お小遣いを貯金してました。
テレビや映画で見たり聞いたりする外人の会話が、
なぜか近所のおばさんの井戸端会議より
キラキラして、楽しそうに感じました。
私の子供の頃は、海外旅行をするなんて
よほどお金に余裕がある人達しかできなかったし、
行けてもジャルパックで行くハワイ旅行くらいでした。
ハワイだ!ワイハ!だとか騒いでいましたが、
日本人の団体で行く海外旅行ツアーは、
見栄を張るためだけで、
ちっとも魅力的には見えませんでした。
「英語が話せるようになりたい!」
でも学校へ行って勉強するのではなく、
普通の人たちが話している英語を話したい!
私にはそんな気持ちが強かったです。
留学ではなく、ボランティアをして1年間イギリスに行くという
プログラムがあり、それに参加しました。
ボランティアをしている期間は、
住居、食事、それにお小遣いも支給してくれました。
精神障害の子供たちの施設で働くことになりましたが、
最初に会った人たちは、
ほんとに良い人たちばかりで、幸運でした。
日本で勉強した英語は、少しは役に立ちましたが、
とても普通の人たちが話すスピードにはついていけません。
それに英語と言っても、
それぞれ訛りがあったりして
最初の3ヶ月くらいは何を言っているのか
さっぱりわかりませんでした。
だんだん慣れていくと
しゃべっていることが聞き取れるようになってきて、
会話にも少しずつ入れるようになっていきました。
働きながらでしたから、
なんとか身振り手振りで伝わることもありました。
施設の子供たちの中にも
話ができる子がいて
私がわからないと、一生懸命になって教えてくれました。
その頃は、日本から来たというだけで
とても珍しいという目で見られました。
何を見ても興味深く、
新鮮に感じてワクワクしていました。
今思うと、好奇心、冒険心、それに羞恥心なども混ざって
不思議な感覚だったなぁと思います。
めったにできない経験をしたことで
日本にいた頃のモノクロからカラーに変わった人生でした。