20代にイギリスに行き、そこで生活したことが
人生を大きく変えてくれました。
私が見てきたイギリス人の生活の中で、
大切なことは、「家族や親しい人と過ごす時間」でした。
一緒に仕事をしていた人たちは、
ホリデー(休暇)をとって、少なくとも年に1週間以上は
旅行に行ったりしていました。
2週間休暇を取るのも普通で、
「〇〇へ行った。」とか、「すでに次の予約を入れてある。」
という話は日常的によく聞きました。
障害児の施設だったので、
お世辞にも高い給料が払われていたわけでもありません。
それでも周りから聞く話は、
「今度スペインに行くの。」とか、「娘に会いにカナダに行ってくる。」など
日本にいた頃は、そんな話はお金持ちだけと思っていました。
でもこれは、普通の掃除のおばさんたちの話です。
「えっ!なんで? 掃除のおばさんが海外旅行できるの?」と、
自分の常識をひっくり返されるような驚きでした。
会社のために働くのは当たり前という感覚でしたし、
お給料をいただいているから、働かせてもらっているから、
という理由で、会社優先なのだと思っていました。
その頃は正社員として働いた経験はありませんでしたが、
アルバイト先でも、周りの人たちの顔色をうかがいながら
「とにかく迷惑をかけないようにしよう。」ばかりでした。
どうしてそのような考えが染みついてしまったのか
疑問に思うこともなかったです。
「周りの人たちもそうだったから。」
その頃の自分にはそれが一番納得のいく答えだったかも・・です。
住み込みのボランティアをしていましたが、
ホリデー(休暇)も支給されました。
イギリス人のボランティアであれば
帰郷する交通費を支給されるそうですが、
日本までの旅費は出せないので
イギリス中ならどこでも行ける金額を支払ってくれました。
スコットランドにあるスカイ島というところまで
友人と一緒に行ってみました。
なるべくお金をかけずに公共交通を使って
スカイ島まで行ったのですが、
スコットランド訛りの英語がわかりにくくて苦労しました。
とにかく素敵な思い出になったことは間違いありません。
休暇が1週間以上取れると、
仕事の事など完全に忘れて、思いっきり楽しむことができますね。
自分がいなかった事への迷惑を考えたり、
お土産は何を買っていったらいいかなど
日本で休暇をとるときは、思い悩むことがいっぱいです。
日本でも有給休暇は認められているのに
ちゃんと消化する人が少なかったり、長期間で取れなかったり、
イギリスだけでなく海外に比べて変な暗黙の了解があって、
会社や仕事第一になっていることが多いと感じます。
ホリデー(休暇)のために働くイギリス人を見て、
何のために働くのかを考えさせられました。
家族やパートナー、友人との楽しい思い出を作ることが
人生にどれだけ大切な事なのかを教えてもらいました。
次はどこに行こうかな?