外国に行って最初に突き当たるのが
言葉の問題です。
イギリスでボランティアをするプログラムに参加しました。
1年という契約でしたが、海外からのボランティアは
最初の1ヶ月は、ロンドンの英会話スクールに通うことになっていました。
私のほかに日本から2名一緒に参加した人達がいました。
最初のショックを受けたのは、
短大の英文科を出て、英会話の授業も少し受けていたのに
現地で受けたこのレッスンでは、私が一番落ちこぼれでした。
間違えないようにと、頭の中の日本語から英語に
あせればあせるほど上手く言えないし、
周りの人たちと比べたりして落ち込んでいました。
1ヶ月はあっという間に過ぎ、
その後、ボランティア協会の面接を受けて
ロンドン中心からそんなに遠くない
障害児の施設で働くことになりました。
最初の試練は、自分がいたホームステイ先から
電車やバスを使って、施設にたどり着くことでした。
大きなスーツケースを抱えての移動は大変でしたが、
電車と地下鉄には問題なく乗れました。
でも到着した地下鉄の駅にあるはずのバス停が見つかりません。
施設に電話をして、道順を教えてもらったのですが
話をした人の訛りがひどくて半分も聞き取れません。
人に聞こうにも田舎の駅で誰もいません。
何とか自分で見つけようと歩き回りましたが
やっぱりみつかりません。
仕方がないのでもう一度電話をして聞いてみました。
何度も何度も聞いて
地下道を通った駅の反対側だったことがわかり
なんとかバス停を見つけました。
イギリスのバスは、バス停が近くなると日本のバスと同じように
ボタンを押して知らせるのですが、アナウンスは全くありません。
なので、バスに乗るときに運転手に
降りたいとバス停が来たら教えてくれるように
お願いしておきます。
運転手から近い席に座って
ドキドキしながらいつ教えてくれるのだろうと待っていました。
私が会ったイギリス人たちはとても親切で
電車やバスを乗り降りするときに
私が大きな荷物を必死に抱えているのを見かねて助けてくれました。
ボランティア施設では、全く日本語を使わない生活が始まりました。
日本で勉強する英語や英会話スクールでは
先生がとてもわかりやすい英語を話してくれます。
でも実際には、地方から来たイギリス人や移民の人も多くて
きれいな英語を話す人はほとんどいません。
自分の言いたいことを伝えることができても
相手の言っていることを聞き取れないと、会話は成り立ちません。
相手の言うことがある程度わかるまで、3ヶ月くらいかかりました。
会話のタイミングは、なかなかついていけませんでした。
日本では中学と高校で6年間は英語を勉強しますが、
ほとんどが試験のための英語で、
コミュニケーションとしての英語については、
教えてもらってなかったと実感しました。
せっかく時間をかけてたくさんの単語や例文を覚えたとしても
実際の外国人と会話をする場面で使えなければ
コミュニケーションとしての英語にはならないですしね。
イギリスでも英語をもっと勉強しようと思って、
安価で参加できる夜のクラスに行きました。
イギリスには、世界中からの移民が住んでいます。
もちろん英語を母国語としない人たちも多くいて、
そういう人たちにも勉強できる場所を提供していました。
一緒のクラスになったイギリス国外から来た人たちは、
ほとんど英語が話せなかったり、発音がめちゃくちゃでも
全く臆することなく、どんどん前に出てしゃべってきます。
日本では考えられない行動ですが、
「こういう強さがないと外国ではやっていけないのだ!」と、
強く感じました。